母娘雑記帳‐つくば市・榊原動物病院発行

榊原動物病院の母娘獣医師の日常
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犬の話しのつづき。

こんにちは
ノーベル医学生理学賞がニュースになっていますね。
受賞の連絡の電話がかかってきたとき何をしていたかというのが話題になっていました。
受賞者は壊れた洗濯機を修理しようと座った瞬間で、家族はソファでうたたねをしていた時だったと聞きました。
私にはノーベル賞をとることは当然できないうえに洗濯機を直すことも出来ない(直そうと思うことすらおそらくしない)、出来そうなことと言えばソファでうたたねくらいのものだと思ってニュースを聞いておりました。なんでも自分に置き換えれば良いというわけではないということは知っていたはずなのに。。。




さて、前回のつづきです。
Dogs recognise their owner's face
犬は飼い主の顔を見分けるか。
http://news.bbc.co.uk/earth/hi/earth_news/newsid_9115000/9115668.stm


研究者は実験の協力者二人に対しにそれぞれ違うドアから部屋の外に出るよう指示し、犬にどちらか一方のドアに近づけるようにした。
多くの犬は実験中、大半の時間飼い主を見つめていてさらに飼い主が出て行ったドアを選びその前に行った。

研究者は結果を‘想定内’としながらも、それは過去に誰も実験しなかった事実とした。
もし犬が混雑した場所や群衆に囲まれた場所に置かれたとき、彼らがいかに飼い主を優先的に見つめているかに気付くだろうともその研究者は言った。

第二段階として実験協力者に対し、顔を覆うよう頼んだ。協力者は袋を被って部屋のなかを歩いた。

Experiment to measure dog attention carried out by scientists at the University of Padua (Image: P Mongillo)
↑顔を覆って犬の前を横切る実験協力者。顔を覆うと犬はあまり気付けなくなる。


実験中犬たちは、(飼い主が顔を覆っていない時と比べて)飼い主に気付くことが減った。
このことから、犬は飼い主を顔で認識していることが明らかになった。

野生の犬の社会で彼らはボディランゲージや他の動物の指示に依存していることが分かっているが、家庭犬はヒトに同調していて人間の表情まで読み取ることができるのである。
‘これは長い間をかけて家畜化された結果である’と研究者は言った。
犬とオオカミを遺伝的に比較した結果、犬は15、000年から40、000年前に家畜化されたことが分かっている。


Dogs and dementia
犬と痴呆

同じ研究で犬の関心と加齢の関係についても調査された。
7歳以上を高齢犬とすると、それらの犬は飼い主へ注意を向けることは減り、飼い主の出て行ったドアに気付くことも減る。

犬の高齢化による認知障害がヒトの加齢に似ていることを示していると研究者は言った。
だから犬の加齢について学ぶと動物におこる加齢に関係する病気についても知ることが出来るのである。


■■読んでみての感想■■
非常にユニークな研究でした。
犬がヒトの顔を認識すると著者が決定づけたソースをさらに知りたいので原本の論文も読んでみようと思います。

オオカミと犬との大きな違いのひとつにヒトとの関係性があることが分かりました。
ヒトの近くにいる(犬の家畜化)過程で、犬たちはヒトを顔さらには表情で認識するようになったということを非常に興味深く感じました。家畜化される過程にはさまざまな社会的やり取りが存在したと思いますが、犬たちはヒトの顔を読み取ることでヒトと近接な位置を保ち有益なことを得ていたことが想像できます。

犬たちと接しておりますと彼らが私たちと非常にタイトな関係を求めていて、彼らが私たちのメンタリティに強く反応していることに気づきます。
ヒトに敏感に反応することこそが犬という動物の特徴であり、数万年という長い間ヒトのそばにいる理由なのでしょう。
今回の記事では触れられていませんが、犬が家畜化されることでヒトは狩りを円滑に出来たというメリットがあったとされています。現代の私たちは狩りをすることはありませんが、相変わらず犬たちはヒトのそばにいて私たちの表情を汲み取っています。私たちが犬と暮らす理由というのは物質的利益ではないとすると、さらに犬とヒトの関係が高尚なものに感じられるような気がいたします。
犬とヒトが仲の良い理由がまた分かった気がしますし、さらに彼らを知りたくなるような思いがしました。


↓箱に入るのが大好きな愛猫。



箱を積み上げたら喜ぶかと思ったけれどそうでもなさそうでした。


↓むしろ積み上げず一個のほうが居心地がよさそう


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