母娘雑記帳‐つくば市・榊原動物病院発行

榊原動物病院の母娘獣医師の日常
youtube
こんにちは

寒いですね。
少し前に猫と暮らしている方が「うちのこは太陽とともに家のなかを移動しているわ。その時にいちばん暖かい場所にいるの」とおっしゃっていました。
私の猫たちもそうで、日が沈むとベッドにもぐりこみ仕事が終わり、私が部屋をあたためるとモゾモゾとトイレに行ったり、むしゃむしゃごはんを食べたりしています。
こんな生活を人間がしていたら「まあ。なんてぐうたら人間なのでしょう」と言われてしまいますが、猫だから許されますね。あたり前の話しですがちょっとうらやましくなってしまうくらい寒いですね。






さて、私が一緒に暮らしておりますオカメインコをビデオに撮ってyoutubeにアップしてみました。
私のオカメインコは頭やくちばしの脇を掻くようにマッサージをされるのが大好きなのですが、それを止めますと「もっとやって」と言うふうに自ら頭をこちらに差し向ける姿がご覧いただけると思います。
(41秒、1分49秒あたりがそのシーン)








動物たちと暮らしておりますと、彼らからの‘要求’を感じることがよくあると思います。
何か食べたくてドッグフードを入れる器を加えて持ってくる、抱っこしてほしくて前足でかりかりと引っ掻く、ベッドのなかに入れてほしくて鳴く…などどの動物でも見られる行動だと思います。
何かがほしいとき、何かをしてほしいときの彼らは必死でそれをアピールしてきます。

「ああ、こうして欲しかったんだ!」と彼らの希望することが理解できると、また一歩深く仲良くなれたような気がいたします。
また、懸命にアピールする姿はとても可愛らしいので、その姿に思わず顔がゆるんでしまうというのは多くの方が経験されているのではないでしょうか。






↓キラキラ光るものが好き。

破壊されたネックレス2本、壊したピアスは数知れず…


| 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
雪かきと顔の進化のつづき
こんにちは
先日、つくばでは珍しく雪が積もりましたね。
当院の入口にも雪が降り積もっておりましたので、「雪かきをしなければ」と思い立ったのですが、雪かき用の道具も持っておりませんのでちりとりとデッキブラシと迷った結果、仕方なくデッキブラシで雪かきをしました。
雪と格闘するなか近所の方が当院前を通り「たいへんだね」と声をかけて下さったので「思った以上に降りましたね」などとお話しをしたのですが、私が手にしているのがデッキブラシであることに気付れた途端、ちょっと驚いたような顔をされていました。
雪かきグッズを欲しい物リストに加えなければいけませんね。





Evolution is written all over your face
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-01/uoc--eiw011112.php


■さて、23日の記事のつづきです。(参照→1月23日記事)■

大きなグループの種ではその関係が近いので、小さなグループの種よりも顔の表現(表情)を使うことが重要になってくる。表情を豊かにして他者に圧力をかけることもある。
このことは大きなグループの種では顔の表現が重要になるということを示唆している。


‘多様な種が混在する環境で暮らす霊長類は、グループのサイズに関係なく複雑な顔をしている。これは異種間での交配を避けるために、同種、近縁種を認識できるようにするためである’
研究者たちは、霊長類の顔の複雑性や多様性にその証拠を見つけ、顔の進化が環境要因の影響を受けていることを証明した。

生物学者は赤道の近くにすむ霊長類ほど、肌や髪、目の色は暗い色をしていると発表した。
また、湿度の高い地域、密林に住む霊長類ほど鼻や口の周りは暗い色になり、赤道から遠い地域や、気温の低い地域ほど顔の毛が長くなると発表した。
‘これは顔の多様性を理解することに繋がり社会の複雑性、社会的行動、そして環境が顔にどのように影響するかを示すことができた’

以前の研究によると口ひげやあごひげを持つ種(参照図11番と9番のような種)は無表情の傾向があるとされた。
コミュニケーションをとるときに、彼らは他の種(参照図4番のような種)と比べると、顔を移動させることが少なかったからである。
このように社会的行動に関連して顔の多様性のいくつかを説明している。




新たな研究によると、系統が分散されるにつれて顔の色、肌の色に変化がみられることが分かった。
例えば髪の色が進化により変化したならば、それは不可逆的であり、元の色に戻ることはないとされていたが、これを研究者は否定した。
進化が不可逆的な変化であるというのは、研究者の理論によって否定されたのである。


ではヒトの顔の進化はどうか?
ヒトの顔には緻密な装飾はないけれど、顔の表情を読み取ってコミュニケーションする能力がある。
顔に豊富な色のバリエーションはなくても伝えあうことは簡単にできるのか?ーそれは私たちがいつも試していることであるのではないだろうか。



■終



前回に続き進化と社会行動をリンクさせた研究について書かれていました。
後半盛りだくさんになってきて、この研究についてより知るために他の論文を読む必要も感じましたが、概要はつかめたような気がいたします。

自然界の動物たちにとって、同種間のコミュニケーション、異種間のコミュニケーションには全く別の意味があります。自らの種をオリジナルの形で存続し、次世代へつなげていくことは非常に重要で、そのときにも顔や肌の色が重要な役割を担うことがあることが分かりました。
同種を見つけたときに、貴重な繁殖のチャンスを逃がさないためには派手な顔つきは確かに分かりやすそうです。
そして、動物たちもその表情を使いコミュニケーションをしているようです。
おそらく繁殖のタイミング、危険の伝達、母子間のコミュニケーションなどに表情が使われるのでしょう。今回の論文には書かれておりませんでしたが、もっと細かに多くのパターンのコミュニケーションがとられているのかもしれません。

動物たちと比べると‘つるん’としてシンプルな構造の顔をしている我々人間の顔は、表情を最大限に使いコミュニケートする動物である証なのだろうと思います。
阿吽(あうん)の呼吸という言葉を思い出しましたが、相手の小さな反応に呼応するというのはヒトが上手な部分であるのかもしれません。



↓同じ猫でも毛が長かったり、



↓丸顔だったり色々ですね。





美人とかファニーフェイスとかの話しではないです…



| 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
ラジオネームと顔の進化
こんにちは

診察が始まる前に毎朝診察室をお掃除するのですが、最近ラジオを聞きながらお掃除をしています。
私が毎朝聞いている番組に季節の変化を日本各地のリスナーが報告するというコーナーがあります。渡り鳥の話し、植物の話し、雲や月の話しなど季節のうつろいが全国からメールやファックスで寄せられるコーナーで毎日楽しみにしています。

ほんわかした番組で好きなのですが、この番組に投稿するリスナーのラジオネーム(ペンネーム)が個性的なのが多くて興味深いです。
「八王子のラジオネーム河童の川流れさん」とか「柏のラジオネーム、羊の執事さん」などが今までで印象的です。
もし、私が投稿するとしたら「犬猫だけでなく鳥も好き」とか「「三十路なのにいまだ実家暮らし」とかかなと考えています。
「つくばのラジオネーム三十路なのにいまだ実家暮らしさん」という人がいたら私かもしれません。



さて、顔の表情とコミュニケーションに関するサルの論文を見つけました。

Evolution is written all over your face
〜新世界猿にみる顔面の進化
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2012-01/uoc--eiw011112.php


なぜ霊長類の顔はそれぞれ大きく異なる特徴をしているか。
UCLA(カルフォルニア大学)の研究者は‘進化の探索’として中南米の129のオスのサルの顔を調べ、彼らは1月11日にいくつかの回答をした。
少なくとも24万年以上をかけて顔は進化してきたと発表された。

‘あなたが新世界猿(注釈:南アメリカの熱帯に住むオマキザルなど広鼻下目のサルのこと)の顔を見たならばその多様性の驚くだろう’とUCLAの進化生物学の教授と霊長類学の教授は言った。
‘鮮やかな赤い顔、ひげ、顔の毛などである。顔がどのように進化し、どの要因が顔を進化させるかについては疑問があるが、様々な顔があり、そこから多くの情報を得ることができる。
まだ研究がなされていない種もいる。

↓広鼻下目のマーモセット



↓広鼻下目のリスザル



生物学者は14の地域でサル顔を分類し、顔や皮膚の色をコード化、解剖学的特徴から顔をパターン化し、`顔の複雑性’を評価し彼らは顔の複雑な進化から霊長類の社会システムを検討した。
顔の色が環境とどのように関連するかを調べるために、環境変数として日照時間、気温、生息地域を分析した。
また統計学的手法を用いて、霊長類の進化と進化の分岐も調べた。

「我われは大きなグループの種になるほど、顔はシンプルな形相になることを発見した。」とUCLAの生態学、進化生物学、遺伝学の研究者たちは発表した。
‘顔の表情がコミュニケーションツールとなっていると考えられ、シンプルな顔ほどより簡単に顔の表情を伝えることが可能である’
‘ヒトは‘‘裸の顔’’をしていて、数色の色で構成されている顔よりも、簡単に表現をすること可能にしている’‘驚くことに種が大きなグループになるほどシンプルな顔になるのである’と発表された。





続く


大きなグループになるほどコミュニケーションが必要であり、それをスムースに行うために顔のつくりまでもが進化してきたという歴史には驚きました。
それだけ生物にとってコミュニケーションが重要なものであるという証明なのではないでしょうか。
進化にはいつも理由があり、それはより繁殖しやすいように、より生きやすいようにということが主眼になっているようです。世界中の動物たちをみていると進化の歴史を垣間見ることがあり非常に興味深く思っております。

引き続き、次回読んでみようと思います。




↓派手目の顔です。ほっぺが赤いせいでどこかひょうきんに見られがち。



(途中から太文字になってしまい、なぜか元に戻りませんでした。。。なんでだろう)


| 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
アイコンタクト

こんにちは
福袋を買ったら入っていたからと、知人からこんなものをいただきました。

↓ティッシュ・ラジコン(携帯で撮った写真なので見づらいかもしれません)

ティッシュの移動がリモコン操作で可能です。
「ティッシュとって」「やあよ。面倒くさがらず、じぶんでとりなさい」…という家庭内でよく聞かれる会話もティッシュ・ラジコンの出現とともに消え去るのかもしれません。







さて、自宅で仕事をしておりますので、‘外出’が一種のイベントであり、非日常です。
犬たちにとっては「私が家にいる」というのが日常ということになります。
私が‘外出’する準備でもしようものなら、犬たちも一緒にウロウロ、ソワソワしていて、まるで一緒に出かけるかのような振る舞いをしています。
このような事は犬と暮らしている方なら経験されているのではないでしょうか。
‘車のカギをとりだしたのを見た’とか‘コートを見た’などと外出関連行動に犬たちが気付いたという事はもちろんあると思いますが、それ以外にも犬たちは私たちのかすかな変化を感じとっているようです。

その手掛かりとなるのが認知心理学者のマイケル・トマセロ博士の論文ではないでしょうか。
(今回は要旨しか読んでおりませんが、全文を読んでみたいと思っております)


How dogs know when communication is instended for them


犬たちは他の動物とは異なる方法で、人の意図するジェスチャーを理解している。
人が犬たちに示すシグナルのどこを見て、犬たちは理解しているのだろうか。
犬たちは人とコミュニケーションをとる時には、eye contact(アイコンタクト)が重要である。
それは成犬でも子犬でも差はなかった。
これは人の乳児が他者の意図を理解するときに使う方法でもある。
しかし、人の乳児と異なり犬は、その指示が他の人に示されている時はその意味を理解できないようであった。それは犬が、自分以外のものへの指示(コミュニケーション)とみなしているからと思われる。


■■

今回の論文のほかにも犬の目の前にカップを二つ置き、人がその一方を指さしたり顔で指し示すと、犬は人が指し示したほうのカップをかなり高確率で選ぶという事がトマセロらの研究により明らかにされています。
これは訓練の有無には関係なく、犬が生得的に持っている能力によるものであるようです。


犬たちと暮らしていると、彼らの観察力に驚かされる事があります。
こちらの気持ちを察したかのような犬たちの行動は、私たちの胸を打つ瞬間であり、犬たちの文字通り‘顔色をうかがった行動’こそが人が犬と仲良くする理由であるのかもしれません。


↓突然、‘指さし行動’をする私を、いぶしかしげな表情で見つめる愛犬。




↓人の視線を気にしてしまうタイプ。

私に最も注目しているのは彼女かもしれません。

| 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
スズメの話し

明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

年末に銀行に両替にいきましたところ、銀行の両替機に『新札入っています!』とお年玉を意識した張り紙がしてありました。
その張り紙を見てどこか気持ちがワクワクしましたが、それは私が完全に‘もらう側’の反応による心境であることに気付きじぶんのふがいなさを感じてしまいました。
いけませんね。
もう30も過ぎたというのに。。。





さてお正月に読んだ鳥の本で面白かったのでご紹介いたします。

↓クレア・キップスの‘ある小さなスズメの記録’という本です。

1940年第二次世界大戦中のロンドンの自宅玄関で著者は、仮死状態であったスズメのひなを拾います。
そのスズメは成長しても身体に不自由があり飛ぶ事はできませんでした。
クラレンスと名付けられたスズメが亡くなるまでの12年間の記録が綴られています。

著者は非常に細かくクラレンスの行動を観察して、クラレンスの成長を楽しながら愛情を注ぐ様子が綴られていて、著者とクラレンスの関係が非常に親密である様子も書かれています。(あとがきに、「クラレンスは著者の人生の同伴者であるようだった」という表現がありました)


↓写真も可愛らしかったです。



↓ピアニストであった著者とピアノを楽しむクラレンス。

鳥と暮らしている方だけではなく、動物と暮らした事の経験のある方なら深く共感できる本なのではないでしょうか。
おすすめです。


↓我が家のクラレンス。すぐかじる癖があります。


↓本のしおりに興味しんしん。



↓こちらの方は粟の穂が大好物。





↓一日のうち20時間ちかくは箱に入っているのでは。。。



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