母娘雑記帳‐つくば市・榊原動物病院発行

榊原動物病院の母娘獣医師の日常
セキセイインコのあくび

こんにちは
週末は小鳥の研究会のため名古屋に行ってきました。
非常に勉強になりましたし、会場で偶然に大学の同期と会うこともでき、有意義な時間を過ごすことが出来ました。

名古屋の駅前のホテルに一泊したのですが、窓からは新幹線のホームが見えアナウンスまで聞こえてくる部屋でした。なんだかホームのベンチで寝ているような気がする名古屋の夜を過ごしました。



さて、セキセインコのあくびに関する論文を見つけましたので、ご紹介いたします。




Evidence for contagious behaviors in budgerigards (Melopsittacus undulatus);An observational study of yawning and stretching

セキセイインコにおけるあくびやストレッチ行動の観察:行動の伝染におけるエビデンス
http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S037663571100252X


あくびがヒトもしくは霊長類のなかで伝染することは知られている。
あくびのような行動に社会的な意味があるとしたら、他の動物でも‘あくびの伝染’が見られてもおかしくない。
そのことを調べるために、我々はセキセイインコのあくびとそれに関連した行動とストレッチ行動について調査した。
研究者は一日を三つのブロックに分け(早朝、午後、夕方)、それぞれに90分ずつビデオでセキセイインコのあくびとストレッチ行動を記録した。
あくびもストレッチも観察している間に見られたが、どちらの行動も特定の時間に集中していた。
これは、これらの行動が概日パターン(24時間周期でおこる生理現象)ではなく、伝染性の行動である可能性を示唆した。
追加の見解として、ストレッチについては片方もしくは両方の足をストレッチしたあと、背筋をストレッチすることが分かった。ある鳥がストレッチをすると20秒以内に別の鳥がストレッチをする‘ストレッチの伝染’が起こっているようであった。
本研究では群れという社会的条件下におけるあくびや、自然界における霊長類以外の動物におけるあくぎやストレッチに検討している。
引き続きどちらの行動が‘伝染’に影響するかについて検討する必要があると考えている。



■■■論文を読んでみて・・・■
あくびが伝染する説については、諸々論文が出ており霊長類での研究はメジャーなのではないでしょうか。
あくびは脳に酸素を送るために起こるという説もありましたが、あまり関係ないのではという論文も出ているようです。最近の見解では、あくびにはストレスに応じて分泌されるホルモンが関係していることが発表されています。他には今回の論文のように、社会的行動の側面もあるようです。
緊張状態にあるときにあくびをすることで、その場の緊張状態を緩和するなどがその例でしょう。
これは、犬でよく見られる行動でカーミングシグナルのひとつして知られています。

今回の論文で面白いなと思ったのが、セキセイインコをその研究対象としたところだと思います。
セキセイインコを知る方なら理解しやすいと思いますが、セキセイインコは非常に社会性が高く、他者を意識した行動がよく見られます。
自然界では群れで暮らす動物ですが、ペットとしてのセキセイインコは飼い主であるヒトや、同居動物の影響を強く受けるようです。(飼い主が代わり食欲がなくなってしまったり、自傷行為をはじめてしまったセキセイを知っております)
そのような動物であるからこそ、あくびの伝染も見られるのではないでしょうか。

私はオカメインコとセキセイインコのケージを並べて置いています。あくびの伝染については気付いたことはないですが、ごはんを食べるタイミング、眠る準備をするタイミング、私に喋りかけてくるタイミングは揃っているような気がします。そういうのも同調とか伝染といった行動なのかもしれません。

あくびに限らず、セキセイインコたちは私たちの行動を観察したり、行動により何かメッセージを送っているかもしれません。もっとよく観察してみようと思います。



今回の論文とは関係ないのですが。。。
週末に行ってきた名古屋で開かれた小鳥の研究会でも『セキセイインコのあくび』が話題にのぼっておりました。
セキセイインコ(おそらくセキセイに限らない)はのどに炎症があったり、何か違和感を感じるとあくびの様にあーんと大きな口をあけることがあります。あまりにもあくびばかりしている時や、同居鳥もそろってあくびばかりしている時は伝染性の呼吸器疾患という事も考えられますので、獣医師にご相談
される事をおすすめいたします。





↓カメラを構えている最中あくびをする気配がなかった愛鳥



ウィキペディアの『あくび』のページには、あくびは違う種のあいだでも伝染する (イヌの前であくびをしてみるとよい)と書かれていました。
↓今夜、彼女の前であくびをしてみようと思います。





↓お掃除中に重ねたソファの背もたれに乗ることが大流行。



↓のぼるのがいいけれど、降りるのは苦手。



| 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
なぞかけ
こんにちは

相変わらずラジオを聞いています。
‘なぞかけ問答’というコーナーにはその日のお題のもとに様々ななぞかけが寄せられていて興味深いです。あまりにお見事ななぞかけが多いので思わずホームページを見てしまいました。
そこには過去の傑作が載っておりましたのでご紹介します。

足湯とかけてプレイボーイととく その心は? 
→よほどじゃないとのぼせることはありません

足湯とかけて弱腰外交ととく その心は? 
→足元を見られます

ミュージカルとかけて、びっくりした時の反応ととく その心は? 
→キャッツ

サインとかけて尻に敷かれた夫ととく その心は? 
→楷書【甲斐性】はあまりないようです 


これをラジオネーム、ニコミーノ・ウドンスキーさんとかいて座太郎さんとか、ダージャレー夫人さんとかが投稿しているのだから世の中ユニークな人がたくさんいるのですね。
ニコミーノ・ウドンスキーさんなんてふたつき連続で採用されているようです。すごいな。



CWRU study finds the love of a dog or cat helps women cope with HIV/AIDS

HIVの患者に犬や猫がもたらす良いことにCWRUにおける研究
http://blog.case.edu/think/2012/01/23/cwru_study_finds_the_love_of_a_dog_or_cat_helps_women_cope_with_hivaids

犬や猫が周りにいることで薬の量を減らせるかもしれない。
HIVや慢性的な疾患を抱える女性がペットと暮らすことは治療にとって有用であるという報告がケース・ウエスタン・リザーブ大学(CWRU)の看護学科により発表された。

HIV患者の社会的役割と自己管理について論文を発表した教授は、「HIVや慢性的な病気を抱える女性にとって、ペットと暮らすことは良いことである」と述べた。

参照ビデオ→
健康でいるためにペットと暮らすメリット(youtube)』


研究者は、HIVや慢性疾患患者の薬の服用のしかた、医師から指示された生活などについて調査した。対象となった女性患者たちの平均年齢は42歳で、その90%以上の人々は子どもを持ち、半数以上は独身者であった。
調査によると彼女たちは6つの主要な社会的役割により構成されていることが分かった。
その6つとは、ペットの飼い主、母親(もしくは祖母)、宗教的信仰心、支持するもの、病気への差別、仕事であった。
病気への差別以外はすべて、彼女たちの病気に関する自己管理においてはポジティブな傾向を持っていることが分かった。
仕事や母親であるということが社会的に大きな役割であるかはよく知られたところであるが、あまり知られていない役割もあるようであった。
ペットの飼い主であるということは驚くことに、患者にとって重要な社会的役割であった。と研究者は述べた。
そして「ペット。特に犬は重要なファクターになり得る」とも語った。

討論会を設けた時に、ある猫の飼い主は「私が傷ついているときも彼女(猫)はいつもそばにいてくれる」と語り、またある犬の飼い主は「犬は私の具合を悟っているかのようで、私の身体の具合が悪い時はそばにいてくれて、守ってくれるかのようである」と語った。

ペットの飼い主であるということは、社会の一員であるということであり、それが病気の自己管理につながる重要な要素になる。と研究者は語った。

母親であることや、仕事といったものが社会において重要な役割を果たすかはすでに論じられているが、それ以外にも慢性的疾患を抱える患者にとって重要な要素があるだろう。


■■
大きな病気を抱えた時、ましてや社会的偏見も加わるような状態になった時、社会と接点を持つことは簡単な事ではないのかもしれません。そのような時、動物たちがそっとそばにいてくれることで感じる気配、触れると温かくてふわふわとした心地よい感触は少し孤独を解消してくれるのかもしれません。
私たちがげんきがない時に動物たちはそっとそばに寄り添うような態度をとることがあるようです。動物たちがなぜそのような行動をとるかという事について科学的な説明を加えるのは難しいのですが、寄り添ってくれる動物たちの態度はじつに絶妙で彼らに触れているうちに不安が少し解消されたという経験をされた方も多いのではないでしょうか。
ビデオでHIVに感染している女性が、犬や猫と暮らしているシーンがご覧いただけます。
女性が犬と猫といるときに見せる表情は非常に柔和でリラックスしているように見えます。また、彼女といる時の犬や猫もとてもリラックスしていて彼女のそばにいることを望んでいるような表情や態度がとても印象的でした。
今回のような研究がもっとなされて、少しでも楽しく快適で健康な生活が出来る人と動物が増えるといいなと思っております。


(今回の発表では、女性患者において有効と書かれておりました。しかし男性患者ではどうなのか(有意差が出なかっただけなのか)の確認がとれなかったので、もし分かればお伝えできればと思います)





↓雑誌を読もうとする私のじゃまをする愛猫




↓絶対にどきたくないという固い決意が感じられる表情。






↑私が描いた瓶の絵を止まり木代わりにする愛鳥。
| 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
動物グッズ

こんにちは
私は猫二匹と暮らしておりますが、その一方は2005年に東京の武蔵境で譲っていただいた猫です。
身体はがっちりとして大型、そして長毛というちょっとユニークな風貌をしております。

「メインクーン?」と聞かれることもあるのですがメインクーンではなく母親猫は三毛猫、父親猫は不明、譲って下さった方のご実家の軒先で産まれた猫という情報しかありません。
ただ譲っていただく時にそっくりな風貌のきょうだい猫が一匹いた事を覚えています。
そのようなルーツを持つ愛猫なのですが、友人から「そっくりさんがいるみたいよ」と情報をもらいました。

↓この写真が愛猫のそっくりさんです。





↓これは私の猫です。



そっくりさんの年齢やプロフィールについては不明なのですが、あまりにも似ているので驚きました。
よくいる顔ではない愛猫ですので、まさかのそっくりさんの登場に驚いています。
もしかしたら本当にきょうだいなのかもしれません。
こんな事ってあるのですね。。。






↓さて最近、こんなものを見つけました。口紅のようですが。。



!!!

↑じつはこれチーク(頬紅)なのです。
使う度に猫の形は崩れていってしまうわけなのですが、あまりにも可愛らしいのでしばらくは使えそうにありません。。




↓こんなところにも猫、猫、猫。






↓外箱もかわいらしい猫柄でした。






↓つづいて鳥のシルエットがご覧いただけると思います。これiPhoneのケースです。



↓iPhoneを入れるとこの通り!

りんごを小鳥がついばんでいるようになります。


動物柄の物を見つけるとつい集めてしまいます。
身の回りの物に動物のモチーフがついているとなんだか楽しい気持ちになるのかもしれません。

診察室でもとても可愛い動物のモチーフがついた物をお持ちになっている方をお見かけすることがあり、あまりにも可愛いので、つい「それどちらで買われたんですか?」などと聞いてしまうことも時々ありますし「他の色もありましたよ」「まだ売っているはずですよ」などと教えていただいたことも何度かあります。
診察以外でも動物モチーフをきっかけに「犬と暮らしてるんです」とか「インコって可愛いよね」などと動物の話しが弾むことも多くあったように思います。
動物柄の小物を持つという楽しみもありますが、そのように動物についてお話しする機会になるというのもまた楽しいひと時であるのかもしれません。



あの日、武蔵境で別れたきょうだいだろうか・・・


| 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
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