母娘雑記帳‐つくば市・榊原動物病院発行

榊原動物病院の母娘獣医師の日常
イヌとオオカミとヒト

こんにちは
朝の情報番組を見ていたら私のラッキーアイテムは『コショウ』となっていました。
「わずらわしい人間関係もコショウで解決!」とアナウンサーが言っていたけれど、むかつく人にコショウを振りまくとかいうわけではないですよね。
くしゃみが出そうな話しでした。。。



さて、こんな論文を見つけました。

Dogs,But Not Wolves,Use Humans As Tools
イヌはヒトをうまく使いこなす

http://blogs.scientificamerican.com/thoughtful-animal/2012/04/30/dogs-but-not-wolves-use-humans-as-tools/


15万年という長い時間をかけてイヌはオオカミの遺伝子コードを変化させ、現在私たちが知るところの愛すべき‘イヌ’となった。
イヌが家畜化される経緯については諸説あるが、ひとつ明らかなことはオオカミは他の動物よりも人間を怖がることは少なかった。
時間とともにオオカミは人間の暮らしに近づくようになっていった。

おそらく、初期のイヌたちは人間と協力して狩りをすることを学んだ。―もしくは初期のイヌは狩りをしなくても人間たちが狩りをしたあとに‘おこぼれ’をもらえることに気付いたからかもしれない。
いずれの理由にせよ、人間社会に溶け込んでいったからこそオオカミたちは子孫を
人間と環境を共にすることでイヌたちは新しいものも得ることができた。
そうすることでイヌはもはや狩りをする必要はなくて、人間にお世話をしてもらって食餌を与えらるようになった。
それはもはや偶然ではなくて、イヌと飼い主との関係は生理学、行動学的に言って人間の親子関係を反映しているといえる。
加えてイヌと強い関係性を持つ人間の尿中オキシトシン(注釈:ホルモン)の数値は、弱い関係性を持つひとよりも高かった。

しかし、オオカミがイヌになっていったのはエサの件だけではない。
他のオオカミと社会的な関係を築くように、人間を社会的パートナーとして扱うようになっていった。
家畜化された動物と、単に人間に飼い馴らされた動物との間にある大きな違いはここにある。
家畜化というのは遺伝的な変化を経たプロセスで、馴化(飼い馴らされること)は経験的なことである。
家畜化というのは性質を変化させるが、馴化は育まれるものである。

数年前、ブタペストの大学の研究者はイヌとオオカミにおける社会的認知が遺伝的なものであるか、経験的なものであるかを決定づけるものを見つけようとした。
それを行うには似たような環境で育ったイヌのグループとオオカミのグループを研究した。
その結果、この二つのグループにおける社会的認知についての差異には遺伝的な背景が関与することがあるようであった。

以下が調査方法についてである。
イヌとオオカミの子どもは、それぞれ目があいた生後4~5日からひとにより育てられた。
生後一ヵ月くらいまではイヌもオオカミもほぼ24時間人間に密着した生活をおくった。
彼ら(イヌとオオカミ)は人間の家で暮らし、夜は人間と眠り、ミルクで育てられ、生後4~5週間から離乳食を与えられた。
イヌとオオカミは人間と暮らし、出来るだけさまざまな経験(公共の場所へ行くこと、友達の家へ行くなど)をすることになった。彼らには少なくとも週に2回は飼育者以外の人間や、一緒に暮らしていない社会化された大人のイヌたちと接する機会が与えられた。研究者により、闘争させず、支配するのではなく彼らの母親のようにふるまうという飼育指針に基づき育てられた。


…続く。


■■読んでみての感想■■
犬たちが非常に社会的な動物であるかということは広く知られたことであると思いますが、‘社会’からの情報を犬たちはどのように認知していくのかをさらに発展させて知ることでより犬たちを知ることができるような気がしております。
どうして彼らは私たち人間のそばで暮らすのかを知ることができると、より彼らを身近に感じることができるかもしれません。
また’犬が人間の身近で暮らす理由現代版’というようなこともわかるかもと思っております。
犬と暮らす楽しみのひとつは、彼らがまっすぐ全身全霊で私たちに向ける愛着を感じる瞬間にあるのではないでしょうか。犬たちと人間との関係はいっぽうてきなものではなく、相互的なものであるということはどうやら何万年以上前から人間が感じてきたことのようです。



今回の論文では遺伝子やホルモンといった言葉も散らばっていますが、犬たちのルーツをあれこれと知るのは面白いと思いますので、気楽に読んでいけたらと思います。




↓朝の光がさしこむスポットは大人気。茶色の犬の後ろにはグレーの猫も。











| 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
金環日食つづき

こんにちは

21日の金環日食はご覧になりましたか?


↓やっと手に入れた日食グラス。市内は売り切ればかりでやっと見つけたのは20日23時@土浦のコンビニでした。






↓21日午前6時頃、そわそわする私につられ起きてきた愛犬を誘って予行練習。



せっかくなので、観測イベントが行われているJAXAに行ってみました。
日食直前にはJAXA職員の方から金環日食の説明があり、ちょっとした授業のよう。



↓朗らかな宇宙飛行士。



↓観測の風景。

最初は雲も多かったのですが、金環日食ははっきりくっきり見ることができました。
観測中、JAXAの職員の方があれこれマイクで説明してくださったのですが、雲がはけてくると「つくばのみなさんの普段のおこないが素晴らしいから、日食がはっきり見えたのですね。ラッキーですね!」とおっしゃっていました。
日食に関する専門的科学的なお話のなかにこのようにちょこちょこロマンティックなお話が混ぜ込まれていて、聞いてて楽しかったです。

「金環が見えたら、でたー!って言いましょう。じゃあ一回、みなさんで練習しましょう。せーの!」というアナウンスがあったりもしました。
子どもたちだけでなく「でたー!」と渋い声で真面目に練習をする大人も多かったです。
もうすぐ金環日食を見られるというわくわく感が大人も素直にさせるのでしょうね。









↓日食中、穴のあいた紙をかざしているところです。



↓浮き上がるJAXAの文字。



↓よく見ると三日月状に!



太陽が欠け始めると当然少し暗くなり、気温が下がったため少し肌寒くなるのを感じたり太陽の存在を改めて感じる機会となりました。
日食中に鳥たちがいっせいに帰巣するすがたを見ましたが、それははまるで夕方の風景のようでした。
気象や天文学が明らかになっていない頃の人々は日食を異様なものと感じ忌み嫌っていたとのことですが、今回それがわかるような気がしました。

日食等における鳥やワオキツネザルなどでは行動の変化はニュースで話題にあがっています。
動物たちは日照時間に人よりも敏感に反応していて日照時間によりホルモン分泌に変化が起こり、排卵や発情期といった繁殖に関わる変化も見られます。ただいわゆるペットは、人の生活(つまり照明などが充実した太陽光にさほど依存しない生活)のなかにいることも多いので、その場合動物たちの日照時間や太陽光との関係は変わってくることもあるようです。
ただやはり太陽光に従った生活は動物たちの身体にとっては、非常にバランスのよいものであるようです。例えば、夜行性でない動物たちが夜中まで起きているようになるとホルモン分泌がうまくいかなくなり身体に支障がでることもありますので、太陽の出現とからめて本来の性質に近い環境を作ってあげることも非常に重要と感じています。

…と、金環日食を見て改めてあれこれ考えたこともありますが、感動的だったのひとことに尽きるような気がします。
「また金環日食を見たいな」と簡単に言えないところがありますが、月、地球、太陽により興味を持ちました。



↓お土産にもらった宇宙兄弟のノート。


↓パグ




↓太陽のひかりが入る時間は段ボールの上でごろごろ。


| 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
金環日食

こんにちは
21日の朝は金環日食だそうですね。
日食グラスを用意された方も多いのではないでしょうか。
私はまだ用意していません。


家族に「一個日食グラスを買ったから、わざわざ買わなくていいよ。貸すから」と言われたのですが、やっぱり個人的にほしいと思っています。
肝心なところで「返して」とか言われそうですものね。
世紀の瞬間(大げさかもですが)を貸す貸さないといったつまらない喧嘩をしながら迎えるのは気が進みませんしね。
だって次に関東周辺で金環日食が見られるのは300年後の2312年4月8日だそうで、生きていれば私は331歳ですがそれはちょっと難しそうです。。。


当院ご近所のJAXAでは『筑波宇宙センターで見る金環日食』というイベント(→
詳細)も行われるそうで、JAXAの職員が説明して下さるうえに『宇宙兄弟』のノートももらえるんだそうです。(ただしこれは先着順)
参加されてみても面白いかもしれません。私も行こうかな。





さて、かわいいひまわりをいただきました。




せっかくなので記念撮影。



香りを確認。


夏はもうすぐでしょうか。


…続けてなにか話しを膨らませて書こうと思ったのですが、どうにも続いての話題が見つからずここまでです。
こんな日もありますね。

| 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
休診のおしらせ

■休診のおしらせ■


5月3日(木曜日)
5月4日(金曜日)
5月5日(土曜日)


上記は祝日のため休診となります。
なお5月1日(火曜日)、5月2日(水曜日)、5月6日(日曜日)は通常診療となります。
ご了承ください。


榊原動物病院


| 榊原動物病院からのおしらせ | 09:00 | comments(0) | - |
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