母娘雑記帳‐つくば市・榊原動物病院発行

榊原動物病院の母娘獣医師の日常
オカメインコ
こんにちは
イチロー選手のニュースをよく見かけます。
野球は詳しくないですが、イチロー選手は数々の名言を残していると聞きましたので調べてみました。


【イチロー名言】決して人が求める理想を求めません。 人が笑ってほしいときに笑いません。 自分が笑いたいから笑います。
 
【イチロー名言】「がんばれ、がんばれ」という人がいるより、僕は、「できないでくれ」という人がいる方が熱くなる。


これはイチローだから名言になるわけで、私が「眠いときに寝ます。朝はカレーしか食べません」と言ったところで破門されそうな気がします。
ただでさえ、こだわりと思っていたことをわがままと否定されがちなのに。。。
 




さて、また愛鳥オカメインコをビデオで撮影してみました。


↓ケージのドアをオカメインコが自分で開けているところです。


これはインコが自らはじめた行動なのですが、どうやら私の注意をひくためにやっているような気がします。ドアがカタカタと音がすると私がインコのほうを向くという構図です。

インコですので本来は、ピピッと声を使って何かを訴えることは得意なのですが、不思議なことに私がインコに割と近い距離(同じ部屋にいるときなど)にいるときは‘声’は使わず、‘物’を使って音を出し私の気をひこうとしているようです。
‘声’を出すまでもない距離だからなのか声以外のツールを使うことに意味があるのか。。。


私の気をひくための行動は他にもあって‘ベルを鳴らす’というのもそのひとつのようです。
 


↓ベルをならすオカメインコ


それを利用してベルを鳴らすタイミングで「ベル!」と私が声をかけ出来たらごほうびをあげて、ベルをならす行動と「ベル!」という言葉が結びついた瞬間をビデオに撮影してみました。
 オカメインコは日々私の気を引くために次々と‘あの手この手’を使っているようです。同じ行動ばかりだと「ああ、またやっている」と私の関心が薄くなることを理解しているかどうかは分かりませんが、‘新しい音’がすると私が敏感に反応することは事実ですのでインコのやり方は理にかなっているように思います。


インコ以外でも、動物が人の関心をひこうとしたり要求を伝えるために自ら始める行動に接した方も多いと思います。
私はそのような行動に触れたとき、はっきりと彼らの意思を受け取った気がしています。
動物の伝えようとする意思に触れそれを理解出来たとき、非常に上質なコミュニケーションがとれた気がしますし、それは対動物と互いに敏感にコミュニケートできるとても楽しい時間でもあります。
そのような意思の交流を重ねることでさらに動物への愛着が深いものになっていくように思っています。
 
動物と暮らすことが好きな理由はいくつかあって、彼らが本来持ち合わせるそのユニークな習性などに惹かれる他に今回のように種をこえてコミュニケートすることの楽しさもその理由のひとつであるのかもしれません。
 
じつは、オカメインコの思うがままにしつけられているのは私のような気もしてきましたが。。。
 



↓箱でくつろぐ愛猫。
P1010307.JPG P1010308.JPG
ベル!と声をかけてもしらんぷり。
| 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
トトロと昆虫
こんにちは
昨夜、テレビで『となりのトトロ』を見ました。
何度見てもほのぼのしますね。トトロのおなかが気持ちよさそうだとか、三鷹のジブリ美術館ので良いから一度猫バスに乗ってみたいなどと思いながら見ておりました。

ちょっと気になって調べてみたらサツキ12歳、メイちゃんは4歳、お父さんは32歳で大学でポスドクとして働いているんだそうです。
‘お父さん’のプロフィールに衝撃を受けました。

じつは私も今年32歳になるのですが、トトロのおながが気持ちよさそうだとか猫バスに乗ってみたいなどと思っている場合じゃないですよね。
当たり前の話しですが、来年になったら‘お父さん’の年齢も超えるわけですものね。







さて、今回はゴキブリの話しです。
Why cockroaches need their friends
http://www.bbc.co.uk/nature/17839642
ゴキブリに仲間が必要な理由


あまり人気のないゴキブリであるが、彼らが非常に洗練された社会を持っていることが最近の調査でわかった。
ゴキブリは部屋のすきまなどに見えづらい場所に逃げ込み、私たちの家のキッチンや汚いであろうホテルやレストランにざわざわと出てくる。
私たちは彼らを害虫とみなし彼らの行動を軽蔑してきた。


研究者はゴキブリのぞくぞくとするような動きは私たちが思うよりも洗練された意味があるということを発見した。
昆虫たちの隠された生活を研究すると、ゴキブリが非常に社会的な生活をしていることがわかった。
彼らは一緒に暮らしているけれど世代の違う家族と、じぶんの家族を見分けることが出来るのである。
ゴキブリはひとりでいることが好きではなく、ひとりでいると病気になってしまうほどである。
そして彼らは密接平等な社会のもと社会的なルールに基づいて生活している。

ゴキブリのなかの特定の種をさらに研究することで、私たちを含む動物の社会の進化について洞察出来るだろう。
昆虫のなかには社会的スキルの高い種もいる。
アリ、シロアリ、ハチ、スズメバチなどは‘真社会性昆虫’と言い、非常に社会性の高い行動を示す。
ゴキブリは様々な世代が同居することが知られているが、彼らがいかにお互いに影響し合って生活しているかについてはあまり知られていない。

社会性昆虫についてのジャーナルにそれについて書かれている。
ゴキブリには4000種近くいて、そのうち25種が人の近くで暮らしている。
そのなかでもチャバネゴキブリ(Blattella germanica)とワモンゴキブリ(
Periplaneta
americana)
について研究されている。

ゴキブリのグループは日中は暗い壁の割れ目などの狭い場所やパイプのなかにいる。
夜になるとこのグループ(研究者はこれを群れという)は、個々で食糧や水を探しに行くのである。
ゴキブリはたむろしていないと‘孤立症候群’に苦しむのである。
例えばチャバネゴキブリとワモンゴキブリはひとちぼっちになってしまうと、脱皮するのに時間がかかってしまう。
若いゴキブリというのは正常な成長の段階で身体的な接触が必要となるようである。

2010年、ゴキブリたちが食べ物について話しているということが研究者によって報告された。
Lihoreau博士によるとゴキブリは化学物質を分泌することで食べ物のある場所についての情報を交換していることがわかった。
じぶんの身体からでるクチクラという炭化水素を使って、隠れる家にはどこが良いかなどの情報交換をしているのである。
時々、ゴキブリたちは化学物質入りの糞をレール状に残し、他のゴキブリが情報を得られるようにする。

そしてこの化学物質によって互いを認識することもでき、相手が近しい関係か(血縁であるかどうか)そうでないかを区別することもできる。
この‘血縁認識’というのがゴキブリの社会では重要な役割を果たしていると考える研究者もいる。
この認識が‘近親交配’を避けることができるのである。

ゴキブリの隠された社会でもっとも印象的なのは、彼らは社会的な群れを形成し‘集団的意思決定’をすることであろう。
例えば隠れ場所を見つけるときもそのグループ全員が同じ選択をするのである。食べ物を見つけるときも同じである。
グループ全体が速やかに恩恵を受けられるような選択をするのである。

ゴキブリは異なる世代がひとつの隠れ家(シェルター)に暮らし、互いに依存している。
ゴキブリは他の真社会性昆虫と比べると平等なのである。
ハチなどに比べるとゴキブリたちは仲間のなかで平等に繁殖することができる。

ゴキブリたちは、先代の恩恵を受け社会化を洗練させているようである。



■■読んでみての感想■■
今回は趣向を変えて昆虫の話しでした。
「ごきぶりを一匹見たら、○○匹いると思いなさい」というのはよく聞く話しだと思いますが、それを少し説明できるようになったかもしれません。


今回は昆虫でありましたが、いままでの動物の集団における社会性という大きなテーマにリンクする部分があるように思い興味深く読みました。
記事に出てきました’真社会性’の特徴について調べてみますと以下の定義付けがされていました。
  • 共同して子の保護が行われる
  • 繁殖の分業、特に不妊の個体が繁殖個体を助けること
  • 少なくとも親子二世代が共存、子の世代が巣内の労働をする程度に成長するまで共存する

    動物においても昆虫においても、同種の遺伝子の保存というのは非常に重要なファクターであることは間違いないようです。遺伝子の保守が何より優先すべき事項で、個々の生存ではなく、総括的に遺伝子が保守されるよう行動することも多いようです。
    遺伝子保守のために‘社会’を築くことがあるとすると、高い社会性を持つに至った動物たちのその背景を探してみても面白いかもしれません。


  • いつかの記念写真。
    無理やり協力を賜ったので猫が不機嫌。

    | 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
    花火恐怖症のつづき

    こんにちは

    先日、土浦学園線を車で走っておりましたら、
    『薄暮運転注意』という警察からのおしらせの旗(横断幕?)を見かけました。
    運転中だったのと、【薄暮】という言葉になじみがなかったのと相重なり『野暮運転注意』と見間違えてしてしまいました。
    「たしかに野暮な運転は困りますよね」などと思いながら通り、次に通ったときにようやく見間違っていたことに気付きいまに至ります。

    昨日も見間違いの話しを書いたので、ついでに今日も書いてみました。
    こんな継続はだめですね。もう書くことがないようにしゃきっと生活していこうと思います。




    さてさて、昨日の続きです。

    Fireworks Phobia
    http://www.veterinarypartner.com/Content.plx?P=A&S=0&C=0&A=1657
    花火恐怖症

    Training
    トレーニング
    怖がりな犬たちに対して、あなたがすべき最善の方法は、彼らが恐怖を感じる前にその兆候を読み取り対処することである。
    理想的には花火から離れて騒音も聞こえないけれど、騒音を出している人(花火をしている人)が見える位置に犬を連れていく。このやり方が多くの犬を救うだろう。

    食欲旺盛な犬であれば、‘おやつ’を使ったゲームに夢中にさせることで、騒音から気をそらせることが出来るだろう。
    犬は訓練や経験に基づいた本能を刺激するような行動をするときは、心身ともに恐怖や痛みに鈍感になるのである。

    人と犬がより強固で充分な相互関係を持つと、遠くの騒音(花火)の心配をしなくて良くなるのである。
    人がおもちゃを投げて犬がとってきたり、互いにひっぱりあったりする遊びは犬の恐怖心を中和するだろう。
    そして少しずつ犬といっしょに花火のほうに近づくのである。その時は急いではいけない。犬の敏感なこころに配慮しながら少しずつ近づくようにする。
    もし急ぎすぎて近づきすぎたならば、犬が恐怖を感じなくなるまで遠くに離れるようにする。
    このようなタイプのトレーニングではゆっくりやることが、近道なのである。怖がってしまうとトレーニングに失敗するので、そうならないようにゆっくりやることが難しい。

    Prevention
    予防策

    花火をしている人がいるときは、屋外に犬をひとりにしない。犬が恐怖になるとフェンスのなかでパニック状態になり、いなくなってしまうこともある。
    もし十分なトレーニングプログラムをこなせないときは、犬に明るく心のこもった態度で接するようにする。怖がりな犬に対してはあわれんだような声をかけたり、接したりしてはいけない。
    自信を持って明るく犬に接して、ほめてあげるようにする。

    耳に感染があるときは、騒音が普段以上につらいことがあるので、耳のケアはきちんとしてあげなくてはいけない。
    耳に何か病気があるときや、耳が垂れている場合は特に注意が必要である。
    犬はどこか痛いところがあると本能的に隠そうとするので、犬の身体のコンディションには十分に配慮することが大切である。

    恐怖というのは一般的に、犬から犬、人から犬と伝染する傾向がある。
    もし花火恐怖症の犬を飼っていてさらに新しい犬を迎えようとする場合は、先住犬の花火恐怖症になんらかの先手を打っておけば次の犬のためにもなるだろう。


    Extreme Cases
    極端なケース

    獣医師や行動学の専門家によって問題行動の修正プログラムをたててもらったり、薬物治療が有効がどうかを判断してもらうことも有効である。
    花火恐怖症の犬は花火の最中はせまい場所に閉じ込めることも有効である。犬は暗くて静かで狭い場所で休む傾向にあるためである。


    ■■読んでみての感想■■
    いままで読んできた記事や論文と趣が異なる記事でした。
    著者はトレーナー(訓練士)とのことでしたので、非常に実践的な内容だったからかもしれません。
    非常に細やかなところも配慮された文章から著者の経験が生かされているような気がいたします。耳の問題にまで気を配るところは非常に現場主義で好感が持てる文章だったように思います。

    花火恐怖症の克服に今回の記事がどの程度参考になるかは自信がないですが、根気強く犬と接するという著者の考えには深く共感しました。

    犬に何かを覚えてもらう時、何かになれてもらう時というのはよくあるシチュエーションです。
    その時、ヒト側に求められるのはゆっくり気長に取り組む態度ではないでしょうか。即効性の追及やスパルタな態度は有効ではないというのが私の大きな方針です。(私自身がスパルタにふるまうのが好きではないせいもあるかもしれませんが・・・)
    とにかく少しずつ犬のペースに合わせて、気づいたら犬も馴れていた(出来るようになっていた)というのが理想のかたちのように思っております。
    そして特効薬的な方法を求めるのではなくそれぞれの犬に合った方法、ペースを見つけることが非常に大切なのでしょう。

    犬の反応や態度を細かく観察しながら、ひとつひとつ階段を上るように出来たことを犬とともに喜び合うことでより関係性が深まったり、関係性そのものに愛着を持つことが出来るように思います。
    今まで私が暮らした犬たちとはそうでした。気長にやって気づいたら互いにとても深い相互関係を築くことができました。それは犬と暮らす上での何よりの喜びであると思います。
    犬との生活をぜひ‘気長’に楽しんでください。



    ↓おすまし顔の愛猫



    ↓あたま隠して。。。

    私の祖父の座右の銘は「のんきに根気」だったことを思い出しました。彼も犬好きだったと聞いています。






    | 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
    京都、花火恐怖症

    こんにちは
    ウサギやフェレット、小鳥についての勉強に京都に行ってきました。
    とても勉強になり、小さな動物たちへの意識がさらに高まりました。

    で、写真も撮ってきました。

    ↓京都タワー




    ↓京都駅近くで見かけた路上喫煙禁止及び罰則に関する警告文。

    じつは一千円を一千万円と見間違え、あまりにもびっくりしたのでこの写真を撮りました。
    うっかり記念のいちまいになってしまいました。

    今回はあまり時間的に余裕もなかったのですが、いつかゆっくりまた京都に行ってみたいです。




    さて、こんな記事を見つけました。
    Fireworks Phobia
    http://www.veterinarypartner.com/Content.plx?P=A&S=0&C=0&A=1657
    花火恐怖症

    独立記念日や大みそかの花火に悲惨な思いをしている犬も多い。
    この恐怖症については生まれつきのところもあるが、警察犬が受けるような騒音に対するトレーニンフで恐怖症が改善することもある。
    花火の最中、快適とまではいかなくても、恐怖心を軽減させることが出来るだろう。

    Predictability
    予測すること

    カミナリと違って花火が打ちあがる日はある程度の予測がつく。
    もし可能であれば花火を買って、着火して法的に問題なければ着火する。
    誰かが花火をしている場所を知っていたら、そこでトレーニングをしてもいい。
    花火からの距離を調整しながらトレーニングすることが出来る。


    続く。。。

    夏になると楽しい花火ですが、それにおびえる犬たちは確かにたくさんいるようです。
    診察室でも相談を受けることが時々ありますし、花火大会の夜に迷子になってしまった子の話しを聞いたこともあります。
    花火恐怖症の犬たちが今年こそ花火大会の夜を少しでもこころ穏やかにいられるよう続きを読んでみようと思います。

    中学校の時の同級生に花火製造所の子がいましたが、彼女の家にわんちゃんがいたかどうかが妙に気になってきました。メールしてみようかな。



    ↓私のベッドの上で思い思いにくつろぐ愛猫たち。



    ↓ひとりはon the 紙袋。



    ↓もうひとかたはon the 文庫本。

    ベッドの上に紙袋と文庫本が転がっているのは彼女たちを喜ばせるためという言い訳ができます。



    ↓もちろんなかに入ることも。











    | 娘雑記帳 | 20:00 | comments(0) | - |
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