母娘雑記帳‐つくば市・榊原動物病院発行

榊原動物病院の母娘獣医師の日常
つくばの野鳥
こんにちは
今日はつくば市の野鳥のお話しです。

当院は数年前から傷病野生鳥獣救護指定獣医というのになっていて、おもに野鳥の治療に携わっています。つくば市はとても広くまだ多くの森も残っているのでヒヨ、スズメ、セキレイ、ムク、シラサギ、ハト、ツバメ、カワセミなどたくさんの野鳥がいるのです。


ある日来たのはフクロウのヒナでした。

道路にいたところを小学校の先生に保護されました。
まだ羽ははえ換わっていないのでぽわぽわの赤ちゃんの羽です。


保護された日。                     
ピンセットから食事中。
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保護して一カ月ほど経つと、ぽわぽわで白かった羽にも模様が混じり、羽を広げるとこの通り。


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野鳥は自然に返すのが大原則ですので、当院でもけがや衰弱に対して治療を行ったあとは時期をみて放鳥しています。
しかし、何らかの理由で野生に戻ることが難しい場合や放鳥までに長時間を有することが予想される場合は、県の鳥獣センターに引き渡しています。
この施設を伺ったことがいままでなかったのと、野鳥を保護された方のなかにも鳥獣センターについて知りたいと思われている方がいたので先日お願いしたフクロウのその後の様子伺いを兼ねて院長と見学に行ってきました。


↓那珂市にある茨城県鳥獣センター
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センターの周辺は木々が生い茂り、すがすがしい場所でした。
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放鳥できずセンター内で飼育されている鳥たち。
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クジャクもいました。
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センターの方に案内してもらい猛禽類のケージのコーナーに。。。
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!!!!!
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いました!
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元気そう
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保護して差し餌をしているあいだにどうしても人に慣れしまいますが、保護されたフクロウは9割は自然に返せるそうです。
ちなみに1割は何らかの病気やけがなどにより死んでしまうとのことでした。


↓おとなりのケージの先輩フクロウ。
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バッサバッサと飛んでいました。放鳥できる日も近そう。

一個一個のケージも広く清潔で、職員の方もそれぞれの個体についてきちんと把握されていて放鳥までどれくらいかかるか、どんな食餌を与えているかなどをおしえてくれました。

巣立ちの時期に誤って巣から落ちてしまったヒナや、ほかの動物に襲われてしまった鳥。エスカレーターに挟まれてしまった鳥などさまざまな理由からけがをした鳥やケアを必要とする鳥たちが来ています。
道端や自宅の庭などで野鳥を見つけた方が当院に連れてきてくれるのですが大事そうに抱えている箱のなかをみると、ペットボトルにお湯をいれた簡易湯たんぽを用意してもらっている例、新聞紙を細かくしてふかふかなベッドを作ってもらったケース、ペットのインコから止まり木を借りて箱のなかに付けてもらっていた例、差し餌を試みようと色々な餌や道具を買ってもらっていた例などがありました。数日後に鳥の様子を電話でたずねてきた方もいます。
小さくしかも傷ついている鳥たちに気付かれる方だから細やかな方が多いのかもしれませんが、その多くのケースに小さな命に対する優しい気持ちと助けたいという強い気持ちを感じています。「ほっとけなくて」という言葉もよく伺います。
野鳥の治療は元気にして放鳥するというのが大きな目的ですのでペットの診察とは少し違いますが、小さな命に接することとそれを助けたいという人の気持ちに触れるという点は共通しているようです。
野鳥の治療も私の仕事の大きなテーマになっています。



バイバイ、フクロウ。げんきでね。





 
| 娘雑記帳 | 17:29 | comments(0) | - |
つづきと二段ベッドで眠る猫
こんにちは

先日、夫が魚釣りに行ってきました。夫曰くリールを回すのも重かったという大物のはずでしたが家族で食べてしまうと案外あっという間になくなってしまいました。なんとなく買っておいたお刺身もいっしょに並べるとまるでそれも釣ってきたかのようで華やかな食卓になりました。


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つづきです。

Listening to the language of apes

類人猿の声を聞く

http://www.bbc.com/news/magazine-32966907

声帯についての解剖学的発見は非常に興味深いものであった。チンパンジーと私たちののどには小さな違いしかなかった。それはまるでヒトののどのようであった。しかし、彼らはなぜ話しをできないのか?チンパンジーは奴隷にされることを恐れて黙っているという説まであった。

その後、タイソンの類人猿はイギリスのブリトルへ奴隷船に乗って連れて行かれ、ジンを飲むことやパイプを吸うことをおしえられた。ロンドンの両替所の入り口に座っているHappy Jerryという類人猿には絶大な人気がでて国王のお茶会にも招待されたほどであった。おかしな話しだが、Jerryはドレスを着てパイプを吸ったりして1970年代には紅茶の広告にもでていた。


参考写真



類人猿に関する私たちの見解は時間をかけて哲学や宗教、そして科学とともに進化し形質転換していった。
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17世紀は、神話や宗教、科学のあいだははっきりとしていなくて動物は生き物ではなく物として扱われていた。タイソンは、それは彼らが話しを出来ないからであると推論した。ストラスクライド大学で人文学を専攻するエリカ・ヒュージ氏は、「ヒトはほかの動物とは違うということに理由はあるが、それは身体的な違いではなく精神的な違いである。事実、チンパンジーの声帯があれば話せるはずである。」と言った。

われわれヒトは、他の動物とは異なっているという議論もあるが、いかに類人猿とヒトが近いかという追求は続いている。色々な意見がある。
R.Lガーナー氏はチンパンジーに言葉を教えようとした最初の人物のひとりであったが、それには限界があった。その後の研究でボノボ、チンパンジー、ゴリラ、オランウータンは言語を介して(ヒトと同じ方法ではないが)コミュニケーションをとることが出来ることが分かった。

生まれたばかりの赤ちゃんがいる家庭に同じく生まれたばかりのチンパンジーを一緒に育ててもらって、言語を話せるように訓練させるという試みが行われた。
チンパンジーの子どもは3歳までヒトの子どもと一緒にいたが、ほんの数語だけ発音は悪く発語するだけであった。同年代のヒトの子どもであれば100くらいの単語は話せるであろう。
明らかなのはチンパンジーは口や喉を使って私たちヒトのように声をだすことはできない。野生のチンパンジーは興奮したときのみ発声し、日々の生活では非言語コミュニケーションが重要になる。
これがアメリカ手話法(Ameslan;American version of sighning)を使っての研究に応用された。これが類人猿を理解するターニングポイントであった。チンパンジーはすぐに200の単語やフレーズを学び、さらに単語を合わせて新しい概念を伝えるようになった。たとえば有名なチンパンジーのワシュ―は池にいる白鳥を見て、水と鳥という手話を合わせることで自分で'名前‘を作った。

数十年をかけて私たちは独創的な方法でチンパンジーで実験をしている。70年代と80年代はチンパンジーの言語研究の黄金時代でした。チンパンジーは絵を見るとそれを表す文字のボタンを押すことで食べ物が与えられた。
Kanzi(注;ボノボのカンジ。ジョージア州立大学言語研究所にて多くの言葉を理解することが確認されたボノボ。)は単純な文章なら作ることができたし、彼がなにをしていたか。さらには将来的になにをしたいかについての文章を作ることができた。
これから類人猿はヒトをコピーしただけではないことがわかる。

前世紀ヒトは類人猿をジャングルの獣とみなしていたが、いまはインテリジェンスなコミュニケーションがとれる関係へと変化した。遺伝学的研究により、ヒトとチンパンジーはネズミなどより10倍以上も近縁であることが分かっている。タイソンのチンパンジーはフォークを使ったが、タイソンのベッドを汚すような'悪い行動’(bad behavior)もして、私たちを楽しませるようなこと、ぞっとさせるようなことを同時にした。この類似性だけでなく相違性が私たちにスリルを与えるのであろう。
類人猿の言語について謎は残るが、彼らがいかに私たちに近い存在であるかについての探求は続く。


■読んでみての感想■
話しをできない理由は声帯の位置のための説が有力なようです。それだけの違いなのか形態の些細と思われる違いは遺伝的相違としては大きいのか。。ではありますが。
記事では霊長類の言語研究の歴史がさらっと書かれていますが、彼らがヒトと近縁であるがゆえの扱われ方の問題。宗教、政治などの時代的なコンテクストに科学が影響を受けた歴史にも触れられていました。

記事には話す以外のツールでコミュニケーションをとった例が出てきました。
自分の意思を音声キーボードで伝えるボノボのカンジは有名です。また今回の記事に詳しくはでていませんが、手話を使うゴリラのココも有名だと思います。死の概念もあったと言われるココは「死ぬとどこにいくのか」と問われると「苦労のない 穴に さようなら」と答えたという話し。ココが可愛がっていた子猫がいて、その子猫が交通事故で死んでしまったことを伝えられたとき、ココが沈黙のあと「話したくない」と答えその後子猫への愛情や悲哀を手話で表し続けたエピソードが残っています。

↓ココ



チンパンジーのワショーは、彼女が慕っていた飼育員が妊娠するとそれを非常に喜び、飼育員のおなかに注意を払い手話でおなかの赤ちゃんの様子を聞いていました。この飼育員がある日突然仕事を休むと飼育員になぜ会いにこなかったかを彼女は手話で伝え、飼育員はワショーに「私の赤ちゃん死んだ」と流産していた旨を伝えるとワショーは手話で「泣く(cry)」「お願い ひと 抱きしめて(please person hug)」と伝えたというエピソードがあります。

これらのエピソードに関しての様々な見解の存在やガンジ、ワショー、ココがその種のなかで稀有な個体であった可能性はあると思いますが、この話しを知った時こころが大きく動かされた感じがしました。

生態や種により異なる身体構造に触れることも動物にひかれる理由ではあるのですが、やはり私は動物とコミュニケートすることがなにより好きです。コミュニケートできると楽しく嬉しい気持ちになりますが、同時に動物に接するうえで彼らの尊厳の維持というか、ひとの都合だけで彼らの身体や精神を拘束してしまうことがあってはいけないとはっとした思いになることもあります。
彼らの意思や感情、認知能力に接することで彼らが彼ららしく生きるための生存権のようなものを意識するのかもしれません。
ペットや家畜などはそもそも自然界とは異なる環境にいるという考え方があって、そうであったとしてもそのなかで彼ららしくいることに近い方法があるならばそれを選択できたらと思っています。








二段ベッド風

だらーん








 
| 娘雑記帳 | 14:59 | comments(0) | - |
ふくろう博士、サルたちの言葉
こんにちは

「ふくろうはエサを食べるとき目をつぶりますが、それは何のためでしょう」というクイズを夫にだしたら、「おいしいから」という答えが返ってきました。ほんとうの答えはエサである動物に目を攻撃されないためだそうです。
「おいしい、おいしい」と目をつぶってもぐもぐ食事をするふくろうを想像してしまいました。

メルヘンな想像でふくろうの記憶が刺激されたのか、ふと『ふくろう博士』を思い出して調べてみたら『ふくろう博士』(家庭教師センター主宰の教育評論家古川氏)と自称しているが正式な学位としての博士号はない。との記述に行き当たりました。『ふくろう博士』の息子は獣医師になって『ふくろう博士Jr.』と称していたこともあるそうです。調べてみるものですね。知らなかったことばかりでした。


 

Listening to the language of apes

類人猿の声を聞く

http://www.bbc.com/news/magazine-32966907

ヒトと類人猿の類似性は長いあいだ科学者を魅了してきた。

「あなたが類人猿の目を見るとそこに知性を感じるだろう。自己意識を持つ動物はあなたを見て、あなたを鑑定している。」と長年、自然界で類人猿を観察してきた霊長類学者の Charlotte Uhlenbroekは言った。
「彼らが私たちを見るとき彼らになにをすべきか」ということを考えるだろう。

Bonobo


類人猿とヒトは地球上で非常に近い関係にあり切り離して考えることはできない。これほどまでに人類を魅了する存在はないだろう。とガーナーは書いた。
ガーナーは実際、西アフリカでチンパンジーと暮らしヒトとの差異を識別しようとする最初のひとりであった。
彼はその物理的な類似性だけではなく、霊長類の社会的きずな(social bonding)や感情、子育てにおいてもその類似性を指摘した。

しかし、彼がもっともそそられたのは彼らの言葉についてである。
彼らは互いに話しをしあっているように見えた。類人猿の発声には特徴があった。とガーナーは記した。
話し手(Speaker)は使用する音の意味を理解して、伝えるという明確な目的を持ち発声を使っている。常に明確な相手にあてて発声されていて、たいてい発声の宛先はひとつであるようで、条件によって発声の音量やピッチを調節している。思考の媒体として音声を使っていた。
他も含めて多くの事実により彼らが話しをしてきたことがわかり、それは長年にわたり私たちヒトを魅了してきた。



1698年1月、解剖学者のエドワードタイソンはチンパンジーの解剖結果を調査結果を提示するために王立協会の前に来た。その若いチンパンジーはアンゴラからイギリスに来たが、船のなかで顎をけがしてその感染症により亡くなったがそれまでの二ヶ月間は生存していた。彼は結果を他の類似猿、ヒトと比較し論文を書いた。
チンパンジーの筋肉や骨などすべての臓器は計測され、チンパンジーが船のなかで乗務員にどのように扱われたかも記された。
チンパンジーは服を着せられテーブルで食事が与えられた。乗務員たちは近い`親戚’を見ながら自分自身の人間性の本質を見ようとしていた。

※類人猿;中型の霊長類を示す通称名。

…つづく

■読んでみての感想■
類人猿は私たちと遺伝的に近縁であるからなのか動物として非常に魅力に満ちているからなのか分からないですが、いつも私たちの興味を引き付ける存在であると思います。
知能的にも高等である類人猿同士がどのような方法でどのようなコミュニケーションをとっているのか興味があります。またひとや他の動物のそれとの違いはどうなっているのでしょうか。
このブログでも動物や虫のコミュニケーションについてのさまざまな記事を読んできましたが、そこでは動作や鳴き声、フェロモンなどを介して情報が伝達されていました。類人猿は私たちの「ことば」と同じ回路で伝えているのか。あいてはどのように「わかる」のかにも注目したいと思います。



梅雨入りなのですね。
少し前にはつぼみだったあじさいも。。。


満開です。


暑かった日、このまま夏になってしまうのかと思っていたらちゃんと梅雨が来ました。




網戸越しにくねくねする愛猫。
| 娘雑記帳 | 17:23 | comments(0) | - |
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