2015.10.20 Tuesday
ハトと町たんけん
こんにちは
少し前になりますが、今年も近所の小学2年生のクラスが「町たんけん」プログラムで来てくれました。
今年の子どもたちも動物や動物病院に興味しんしんで次々と質問もでて私も楽しい時間を過ごしました。
去年に引き続き今年も色々なことを聞かれました。(→2014年町たんけん)
「プーリーが注射に来たらどうやって注射をするの?」という質問が印象的でした。
たしかにこのドレッドヘアをかきわけて注射をするのがたいへんそうですよね。
ただとても珍しい犬種なので私もむかしに見かけたことがあるだけなので、獣医師としてのプーリー体験記をお話しできるには至りませんで申し訳なかったです。
↓プーリー
みなさんからのかわいいお手紙も先生から受け取りました。どうもありがとうございます。またきてね。
ハトの記事を読んでみました。
why don't you ever see baby pigeons?
なぜハトのヒナは見かけないのか
http://www.bbc.com/earth/story/20150907-why-dont-you-ever-see-baby-pigeons
いずれの町においてもハトを見ることができる。いたるところでみられる。
灰白色の羽をもつハトたちは頭を動かしながら街中で建物の壁際や路面を歩いたり、座ったり、糞を落としながらクークー鳴いたりしている。
”先史時代はハトのひなを見かけ、食べることさえもあった
しかしハトについてはいくつか不思議なことがある。
ハトのひなを見かけることはない。
こんなにもたくさんのハトを見かけるのにヒナを見かけないことには疑問が残る。
”どこででも見かけるハトであるがそれがどこから来たかを特定するのは容易ではない
その答えはハト本来の性質に答えがある。
街中でよく見かけるドバト(Feral pigeons)はカワラバト(Rock doves)を祖先とし基本的にはその性質は同じである。
ドバトはコスモポリタン種(汎存種)であるが、繁殖時には崖に巣を作るカワラバトの性質をのぞかせる。
カワラバトは崖のあいだに巣を作ることを好み、一年の大半を海岸沿いの高い岩山の崖のすきまに作った巣で過ごす。
19世紀の鳥類学者によりスコットランドのオークニー諸島ではどうやって入り込んで巣を作ったのだろうというような崖のあいだの深いすきまに多数の巣があったことが報告されている。
”ハトが最終的に巣を飛び立つときは完全に成長した姿である
もしもひとが崖のなかで長時間過ごすことがあればハトのひなを見かけるだろう。
実際、ジブラルタルの洞窟の発掘調査によりネアンデルタール人はハトを頻繁に食べていたことが分かった。その後、ネアンデルタール人消滅後、ヒト(Homo sapiens)はハトを食べていたことが分かった。先史時代にもハトのヒナだけでなく若いハトも食べられていたようである。
巣のなかの二羽のハトのヒナ
ハトはエッジの効いた崖、岩山、薄暗い洞窟のない都市部では教会の塔、橋の下、建物のかげ、石段のすきまなどに巣を作る。
そのため、私たちがハトの巣を見つけることはめったにないのである。
ハトのヒナはあまり格好がよくない。と声をひそめていうひともいる。
若いハトはたくさんいるが、それがどこから来たかを特定するのは容易ではない。
ハトのヒナはその不格好を恥じるかのように長い時間巣にいる。その期間は40日間で庭にいるような他の鳥のおよそ二倍の長さである。
若いハトは首の部分の緑色と紫色が薄い。
巣にいる間は両親から脂肪と蛋白質に富んだそ嚢乳(crop milk)を口移しに与えられる。そして巣から飛び立つときには見た目はすっかりおとなのハトのようになる。
よく見るとハトが巣立ったばかりの若いハトかどうか見分けることが出来る。
若いハトは首の部分にキラキラと光る緑と紫の部分がない。成長するとグレーの部分もむしろ明るい白になる。
これを知っていれば公園のベンチに座っていてもそのハトが本当は若いかどうかが分かるかもしれない。
白い蝋膜(鼻)を持つ大人のハト
■読んでみた感想■
身近な鳥であるハトの記事でした。
たしかに公園のベンチなどでほわほわの羽のハトを見かけた経験はありません。
ツバメなどは毎年、割と見えやすい場所に巣をつくりますがハトの巣はたしかにみかけることはありませんでした。
よく見かける動物の本来の性質や起源を知ることは興味深く、公園のベンチでぼーっとしていても少し違った視点を持つようになりそうです。若いハトかどうか見分けてみようと思います。
動物の生存にとっては適応力の有無が重要であることも改めて感じました。ハトはコスモポリタン種(汎存種)として世界中に生息しますが、しかしその高い適応性がゆえ生活環境、農作物へ被害をもたらすことがあり害鳥として扱われてもいます。ひとへの被害が生まれたときに動物をカテゴライズすることについてはきちんと考えなくてはいけないでしょうし、そのカテゴライズを越えてでも対応しなければならない時があることを獣医師として日々体感してはいますが。。。
むずかしい問題です。
野鳥の診察にたずさわっていますので、さまざまなヒナに接しています。以前、巣ごと落ちてけがをして保護していたハトのヒナを育てたことがあります。脚を骨折し断脚しなければならなかったのですが、非常によくなつっこくてかわいかったことを覚えています。
断脚したため自然界での生活が難しいので鳥獣センターで暮らしています。センター内での生活であれば問題ないはずなので元気だといいなと思います。
そのような経験もあったので今回のハトの記事は興味深く読みました。
↓断脚手術を受けたハト。まだ羽がきちんと生えそろっていません。
少し前になりますが、今年も近所の小学2年生のクラスが「町たんけん」プログラムで来てくれました。
今年の子どもたちも動物や動物病院に興味しんしんで次々と質問もでて私も楽しい時間を過ごしました。
去年に引き続き今年も色々なことを聞かれました。(→2014年町たんけん)
「プーリーが注射に来たらどうやって注射をするの?」という質問が印象的でした。
たしかにこのドレッドヘアをかきわけて注射をするのがたいへんそうですよね。
ただとても珍しい犬種なので私もむかしに見かけたことがあるだけなので、獣医師としてのプーリー体験記をお話しできるには至りませんで申し訳なかったです。
↓プーリー
みなさんからのかわいいお手紙も先生から受け取りました。どうもありがとうございます。またきてね。
ハトの記事を読んでみました。
why don't you ever see baby pigeons?
なぜハトのヒナは見かけないのか
http://www.bbc.com/earth/story/20150907-why-dont-you-ever-see-baby-pigeons
いずれの町においてもハトを見ることができる。いたるところでみられる。
灰白色の羽をもつハトたちは頭を動かしながら街中で建物の壁際や路面を歩いたり、座ったり、糞を落としながらクークー鳴いたりしている。
”先史時代はハトのひなを見かけ、食べることさえもあった
しかしハトについてはいくつか不思議なことがある。
ハトのひなを見かけることはない。
こんなにもたくさんのハトを見かけるのにヒナを見かけないことには疑問が残る。
”どこででも見かけるハトであるがそれがどこから来たかを特定するのは容易ではない
その答えはハト本来の性質に答えがある。
街中でよく見かけるドバト(Feral pigeons)はカワラバト(Rock doves)を祖先とし基本的にはその性質は同じである。
ドバトはコスモポリタン種(汎存種)であるが、繁殖時には崖に巣を作るカワラバトの性質をのぞかせる。
カワラバトは崖のあいだに巣を作ることを好み、一年の大半を海岸沿いの高い岩山の崖のすきまに作った巣で過ごす。
19世紀の鳥類学者によりスコットランドのオークニー諸島ではどうやって入り込んで巣を作ったのだろうというような崖のあいだの深いすきまに多数の巣があったことが報告されている。
”ハトが最終的に巣を飛び立つときは完全に成長した姿である
もしもひとが崖のなかで長時間過ごすことがあればハトのひなを見かけるだろう。
実際、ジブラルタルの洞窟の発掘調査によりネアンデルタール人はハトを頻繁に食べていたことが分かった。その後、ネアンデルタール人消滅後、ヒト(Homo sapiens)はハトを食べていたことが分かった。先史時代にもハトのヒナだけでなく若いハトも食べられていたようである。
巣のなかの二羽のハトのヒナ
ハトはエッジの効いた崖、岩山、薄暗い洞窟のない都市部では教会の塔、橋の下、建物のかげ、石段のすきまなどに巣を作る。
そのため、私たちがハトの巣を見つけることはめったにないのである。
ハトのヒナはあまり格好がよくない。と声をひそめていうひともいる。
若いハトはたくさんいるが、それがどこから来たかを特定するのは容易ではない。
ハトのヒナはその不格好を恥じるかのように長い時間巣にいる。その期間は40日間で庭にいるような他の鳥のおよそ二倍の長さである。
若いハトは首の部分の緑色と紫色が薄い。
巣にいる間は両親から脂肪と蛋白質に富んだそ嚢乳(crop milk)を口移しに与えられる。そして巣から飛び立つときには見た目はすっかりおとなのハトのようになる。
よく見るとハトが巣立ったばかりの若いハトかどうか見分けることが出来る。
若いハトは首の部分にキラキラと光る緑と紫の部分がない。成長するとグレーの部分もむしろ明るい白になる。
これを知っていれば公園のベンチに座っていてもそのハトが本当は若いかどうかが分かるかもしれない。
白い蝋膜(鼻)を持つ大人のハト
■読んでみた感想■
身近な鳥であるハトの記事でした。
たしかに公園のベンチなどでほわほわの羽のハトを見かけた経験はありません。
ツバメなどは毎年、割と見えやすい場所に巣をつくりますがハトの巣はたしかにみかけることはありませんでした。
よく見かける動物の本来の性質や起源を知ることは興味深く、公園のベンチでぼーっとしていても少し違った視点を持つようになりそうです。若いハトかどうか見分けてみようと思います。
動物の生存にとっては適応力の有無が重要であることも改めて感じました。ハトはコスモポリタン種(汎存種)として世界中に生息しますが、しかしその高い適応性がゆえ生活環境、農作物へ被害をもたらすことがあり害鳥として扱われてもいます。ひとへの被害が生まれたときに動物をカテゴライズすることについてはきちんと考えなくてはいけないでしょうし、そのカテゴライズを越えてでも対応しなければならない時があることを獣医師として日々体感してはいますが。。。
むずかしい問題です。
野鳥の診察にたずさわっていますので、さまざまなヒナに接しています。以前、巣ごと落ちてけがをして保護していたハトのヒナを育てたことがあります。脚を骨折し断脚しなければならなかったのですが、非常によくなつっこくてかわいかったことを覚えています。
断脚したため自然界での生活が難しいので鳥獣センターで暮らしています。センター内での生活であれば問題ないはずなので元気だといいなと思います。
そのような経験もあったので今回のハトの記事は興味深く読みました。
↓断脚手術を受けたハト。まだ羽がきちんと生えそろっていません。